春日野道駅から徒歩約3分のところ、通りから少し入ったところに可愛らしい外観のビルがある。AO cafe共同オーナーの吉田あやさんはこの元印刷所のヴィンテージビルをDIYで改装し、カフェやタイ式ヨガなど多用途に事業を展開、最近では農作業も始めていると聞き、お話を伺ってきた。

ヨガ、カフェ、ボディケア、畑、小売とどんどん進化中

(左:笑顔が素敵な吉田あやさん(右)、1Fのカフェで。 右:ビル外観)

吉田さんたちは改装したビルそれぞれのフロアをタイ式ヨガスタジオ、ボディケア&整体、カフェとしてビル一棟を多用途に使い、事業を展開している。近頃は西区に農園を借りて有機野菜も作り始めたという。そして1階のカフェスペースで物販も始める予定と事業や活動がどんどん広がっている。さらには吉田さんの故郷の熊本で古民家を再活用できないかと動き始めたところとのことだった。アクティブに動き続ける吉田さんと共同オーナーの福満さん、そもそものスタートであるビルの改装について伺った。

お客さんを巻き込んでビル一棟をDIY

もともとは六甲道で整体院とタイ式ヨガスタジオを二人で運営していたところから始まる。吉田さんたちは次第にカフェもやりたいと思い始め、物件を探していたタイミングでこのビルに出会った。早速物件を借り、六甲道での営業は続けながら内装工事をスタートする。

(施工前のビル内観その1)
(施工前のビル内観その2)

いくらDIYで改装するにしても、二人で4階建のビル一棟はさすがに大変だ。さらにDIY初心者となればなおさらだ。作業量や時間が足りないのではと思っていたが、聞くと「このビルのDIYにはお客さんも含め30人くらいが参加してくれ、みんなと一緒に作りました。」と言う吉田さん。友人やヨガスタジオのお客さんたちを巻き込み、中には専門家の人もいたりして、教えてもらったりしながらワイワイと楽しく作っていったそう。しかし施工面積も広いためどうしても時間がかかってしまい、未完成な状態ながらも営業をスタートさせ、彼女たちは4階に住みながら改装作業と仕事をしていたという。

(みんなでつくる)
(専門的なところはプロの手を借りる)

そして改装作業が落ち着いた頃、吉田さんたちは作業工程をまとめた冊子をつくりDIY参加者に配った。自分たちも含め、お客さんや知り合いと一緒に作ってよかったポイントを聞くと、「自分たちで手を動かして作ったので、ものすごく愛着が湧いているし、何よりこのビルの弱点がよくわかった。」と言って笑っていた。DIYでやるからこそ物件の良い部分、悪い部分がよくわかるのだろう。

(リノベーション後 左/2F施術室 3F/タイ式ヨガスタジオ)
(リノベーション後 左/DIY参加者に配った冊子 1F/エントランス)

西区で畑を借り、野菜をつくる

(農作業も始めた)

昨年から西区の伊川谷で農園を借り、有機野菜を育てはじめたと言う吉田さん。週に1回は農作業に行き汗をかく。できた野菜は1Fのカフェメニューで使用しているという。農作業自体も初心者に近い知識だったが、教えてもらいながら徐々にできることも増えてきた。

(左:共同オーナーの福満さん(左) 右:収穫した野菜)

物販もスタート、さらには故郷で新たなチャレンジも

(1f 左側エントランス周りにセレクトされたアパレルなどが並ぶ)

いろいろな事業を展開していく中で繋がりも増えてきたという吉田さん、現在は1Fのカフェスペースで洋服やアクセサリーなどの物販スペースを作っているという。冒頭で少し触れたが、吉田さんの故郷である熊本県で古民家の利活用も始まったという。「まだ山の手入れで精一杯です。」とのことだが、近隣の森の間伐作業も自ら行ってしまうところがすごい。

(数年後に伐採できるようにするための皮剥き作業)

取材を終えて

お二人のアクティブさとチャレンジ精神は本当にすごくて、うまく言語化できないけれど、とにかく良いエネルギーが溢れているような印象を受けた。ある意味圧倒されていたような気もするけれど、当の本人である吉田さんは「えいっ!と初めてしまえばなんとかなりました!」と笑う。確かにいろいろ話を聞いて行くと本当にその通りで、知識や経験や男女関係なく一歩を踏み出すか、出さないかの違いだけなんだろう。

自分たちの手でゆっくりでも確実に開拓、進化していく彼女たちの姿勢は男女問わず刺激になる人も多いのではないだろうか。