前回に引き続き、水回りについての説明になります。今回は水回り設備の風呂、トイレの説明していきます。

風呂について

中古物件の風呂は、小さな浴槽や古い湯沸かし器のままだったり、タイルがひび割れて、カビが生えていたりといった状態も多くあります。使いにくいため、一新したいと思う人も多いのではないでしょうか。風呂の工法やコストのことを知っておくと選択肢も増えると思います。

(在来工法で一新した浴室例 / ブロックやタイルをはじめ、シャワーや蛇口までこだわれるのがメリット。)

●在来工法、ユニットバスの違い
現在、風呂の種類(工法)はユニットバスタイプが主流になってきました。ユニットバスは浴室(天井と床)と浴槽が一体となっていて、防水性が高く、施工も簡易なのでマンションなどに多く使われています。コツを押さえるとセルフビルドも可能です。ユニットバスが普及するまでは在来工法という、下地で防水した浴室を作り、タイルを貼り、浴槽を埋め込む方法が主流でした。ユニットバスではできない、自由なデザインができるのが特徴です。

(一般的な浴室例 / 左が在来工法、右がユニットバス)

●風呂の変更について
ユニットバスへの変更はあらかじめ組み立てられたものをはめ込む作業がメインになります。そのため工期が短く人手も少なくてすみ、コストメリットが大きいことが特徴です。配管も決められた位置に準備すればよいだけです。デメリットとして、サイズが決められているので、適切な設置スペースがない場合は別の工事が必要になりコストがかかることもあります。

(ユニットバスの施工例 / 画像はシャワータイプのユニットバス、決めた位置にはめ込み、配管をつなぐだけ)

在来工法の場合は、下地やタイル貼りなど、それぞれ専門家に依頼したり、使った材料を乾かす時間が必要だったりと工期やコストがかかります。自由に作れることが大きなメリットですが、設置場所への配管の調整も必要になります。完成後も水漏れや腐食を防ぐため定期的なメンテナンスも大切です。それぞれのメリット、デメリットを押さえて工法を選択しましょう。

トイレについて

昔は暗くて狭いイメージの場所だったトイレですが、便器もほとんどが和式から洋式になり、最近ではリラックスできる場所という考え方が広まってきました。スペースに余裕があれば手洗い場と一緒にしたり、壁紙や床材にこだわったりできます。トイレはもともとのスペースが狭い場合が多く、改装にコストを抑えられることもポイントです。

(小さなスペースで自分好みに作りやすい)

●トイレの排水形式について
トイレの便器を変更する際に押さえておくポイントとして、排水形式があります。便器の排水方式は汚物を床方向に流す「床排水」と、壁方向に流す「壁排水」の2種類があります。
「床排水」は主に一戸建て・マンションに多く、「壁排水」は団地に多いです。簡単な確認方法は便器の後ろから壁に向かって排水管が出ているかをチェックしましょう。(排水管が目視できない場合は床排水の場合もあります。)自宅のトイレが床排水の場合は、同じ床排水タイプの便器でなければ設置ができないため、必ず事前に確認しましょう。

●和式トイレを洋式トイレにする場合
古い戸建などで和式トイレから洋式トイレに変更する場合の大まかな流れを説明します。
和式トイレは床材に埋め込まれていることがほとんどなので、まずは床下の解体を行い、便器を外します。その後、配管位置を確認して新しい便器の配管位置に調整をします。そして床下地を作り直して、洋式の便器を設置します。DIYなども可能ですが、時間や手間もかかりますので、専門業者に依頼するとよいでしょう。

(昔ながらの和式便器 / 交換するには床下の解体からはじめる。)

プロに任せましょう
風呂やトイレの変更もポイントを押さえればDIYも可能ですが、配管の調整や、施工後の漏水など、ミスが起こると本当に大変です。特にマンション・団地物件では上下階の住民にも迷惑をかけてしまうこともありますので、配管工事は必ず専門業者に依頼するようにしましょう。


いかがでしたでしょうか?2回にわたって水回り設備やPSの説明をしてきました。各設備については種類や、工法のメリットデメリットも考えて選んでいくようにしましょう。
次回vol8は「電気のこと」です!お楽しみに!


イラスト / Yosuke Yamauchi
画像 / みんなでつくろう編集部
図説 / みんなでつくろう編集部